行政法 処分性の判例 その5
14 最高裁判所第二小法廷 平成18年7月14日判決 給水条例無効確認等請求事件
本件別表の無効確認を求める被上告人らの訴えは,本件改正条例の制定行為が抗告訴訟の対象となる行政処分に当たることを前提に,行政事件訴訟法3条4項の無効等確認の訴えとして,本件改正条例により定められた本件別表が無効であることの確認を求めるものである。しかしながら,抗告訴訟の対象となる行政処分とは,行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為をいうものである。本件改正条例は,旧高根町が営む簡易水道事業の水道料金を一般的に改定するものであって,そもそも限られた特定の者に対してのみ適用されるものではなく,本件改正条例の制定行為をもって行政庁が法の執行として行う処分と実質的に同視することはできないから,本件改正条例の制定行為は,抗告訴訟の対象となる行政処分には当たらないというべきである。