Pacta Sunt Servanda

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百選99事件 酒類販売業免許拒否処分取消請求事件(最三判平成4年12月15日)

そこで、本件処分の理由とされた酒税法一〇条一〇号の免許基準について検討するのに、同号は、免許の申請者が破産者で復権を得ていない場合その他その経営の基礎が薄弱であると認められる場合に、酒類販売業の免許を与えないことができる旨を定めるものであって、酒類製造者において酒類販売代金の回収に困難を来すおそれがあると考えられる最も典型的な場合を規定したものということができ、右基準は、酒類の販売免許制度を採用した前記のような立法目的からして合理的なものということができる。また、同号の規定が不明確で行政庁のし意的判断を許すようなものであるとも認め難い。そうすると、酒税法九条、一〇条一〇号の規定が、立法府の裁量の範囲を逸脱するもので、著しく不合理であるということはできず、右規定が憲法一一条一項に違反するものということはできない。