Pacta Sunt Servanda

「合意は拘束する」自分自身の学修便宜のため、備忘録ないし知識まとめのブログです。 ブログの性質上、リプライは御期待に沿えないことがあります。記事内容の学術的な正確性は担保致しかねます。 判決文は裁判所ホームページから引用してますが、記事の中ではその旨の言及は割愛いたします。

百選24事件 どぶろく裁判(最一判平成元年12月14日)

 しかし、酒税法の右各規定は、自己消費を目的とする酒類製造であっても、これを放任するときは酒税収入の減少など酒税の徴収確保に支障を生じる事態が予想されるところから、国の重要な財政収入である酒税の徴収を確保するため、製造目的のいかんを問わず、酒類製造を一律に免許の対象とした上、免許を受けないで酒類を製造した者を処罰することとしたものであり(昭和二八年間第三七二一号同三〇年七月二九日第二小法廷判決・刑集九巻九号一九七二頁参照)、これにより自己消費目的の酒類製造の自由が制約されるとしても、そのような規制が立法府裁量権を逸脱し、著しく不合理であることが明白であるとはいえず、憲法三一条、一三条に違反するものでないことは、当裁判所の判例(昭和五五年(行ツ)第一五号同六〇年三月二七日大法廷判決・民集三九巻二号二四七頁。なお、昭和三四年(あ)第一五一六号同三五年二月一一日第一小法廷判決・裁判集刑事一三二号二一九頁参照)の趣旨に徴し明らかであるから、論旨は理由がない。