Pacta Sunt Servanda

「合意は拘束する」自分自身の学修便宜のため、備忘録ないし知識まとめのブログです。 ブログの性質上、リプライは御期待に沿えないことがあります。記事内容の学術的な正確性は担保致しかねます。 判決文は裁判所ホームページから引用してますが、記事の中ではその旨の言及は割愛いたします。

2018-04-07から1日間の記事一覧

百選130事件 家事審判法による審判の合憲性(最大決定昭和40年6月30日)

これを要するに、夫婦の一方が故なく同居しない、又は同居させない場合に、他の一方から同居すべきこと又は同居させるべきことを求める争訟においては、同居義務の存否を確認し、義務ありとすればこれが履行を命ずる裁判をなすべきであつて、その性質は、純…

裁判を受ける権利(最大判昭和24年3月23日)

按ずるに憲法第三二条は、何人も裁判所において裁判を受ける権利を奪はれないと規定しているが、同条の趣旨は凡て国民は憲法又は法律に定められた裁判所においてのみ裁判を受ける権利を有し、裁判所以外の機関によつて裁判をされることはないことを保障した…

百選122事件 交通事故の報告義務と黙秘権(最大判昭和37年5月2日)

しかしながら、道路交通取締法(以下法と略称する)は、道路における危険防止及びその他交通の安全を図ることを目的とするものであり、法二四条一項は、その目的を達成するため、車馬又は軌道車の交通に因り人の殺傷等、事故の発生した場合において右交通機…

百選121事件 高田事件(最大判昭和47年12月20日)

当裁判所は、憲法三七条一項の保障する迅速な裁判をうける権利は、憲法の保障する基本的な人権の一つであり、右条項は、単に迅速な裁判を一般的に保障するために必要な立法上および司法行政上の措置をとるべきことを要請するにとどまらず、さらに個々の刑事…

百選120事件 死刑と残虐な刑罰(最大判昭和23年3月12日)

生命は尊貴である。一人の生命は、全地球よりも重い。死刑は、まさにあらゆる刑罰のうちで最も冷厳な刑罰であり、またまことにやむを得ざるに出ずる窮極の刑罰である。それは言うまでもなく、尊厳な人間存在の根元である生命そのものを永遠に奪い去るものだ…

百選119事件 川崎民商事件(最大判昭和47年11月22日)

所論のうち、憲法三五条違反をいう点は、旧所得税法七〇条一〇号、六三条の規定が裁判所の令状なくして強制的に検査することを認めているのは違憲である旨の主張である。たしかに、旧所得税法七〇条一〇号の規定する検査拒否に対する罰則は、同法六三条所定…

百選115事件 成田新法事件(最大判平成4年7月1日)

「 そこで検討するに、本法三条一項一号に基づく工作物使用禁止命令により保護される利益は、新空港若しくは航空保安施設等の設置、管理の安全の確保並びに新空港及びその周辺における航空機の航行の安全の確保であり、それに伴い新空港を利用する乗客等の生…

百選113事件 福岡県青少年保護育成条例事件(最大判昭和60年10月23日)

そこで検討するのに、本条例は、青少年の健全な育成を図るため青少年を保護することを目的として定められ(一条一項)、他の法令により成年者と同一の能力を有する者を除き、小学校就学の始期から満一八歳に達するまでの者を青少年と定義した(三条一項)上…