2018-04-01から1日間の記事一覧
しかし憲法二二条二項の「外国に移住する自由」には外国へ一時旅行する自由をも含むものと解すべきであるが、外国旅行の自由といえども無制限のままに許されるものではなく、公共の福祉のために合理的な制限に服するものと解すべきである。そして旅券発給を…
したがって、不法行為の被害者が不法行為の時から二〇年を経過する前六箇月内において右不法行為を原因として心神喪失の常況にあるのに法定代理人を有しなかった場合において、その後当該被害者が禁治産宣告を受け、後見人に就職した者がその時から六箇月内…
よつて按ずるに、河川附近地制限令四条二号の定める制限は、河川管理上支障のある事態の発生を事前に防止するため、単に所定の行為をしょうとする場合には知事の許可を受けることが必要である旨を定めているにすぎず、この種の制限は、公共の福祉のためにす…
おもうに、土地収用法における損失の補償は、特定の公益上必要な事業のために土地が収用される場合、その収用によつて当該土地の所有者等が被る特別な犠牲の回復をはかることを目的とするものであるから、完全な補償、すなわち、収用の前後を通じて被収用者…
三、以上に述べた理由により自創法六条三項の買収対価は憲法二九条三項の正当な補償にあたると解するを相当とし、これと異なる上告人の主張はすべて独自の見解に立つものであつて採用することはできない。従つてまた原判決が憲法二九条三項に反するという論…
論旨は、本件の宅地はD外三名の耕作者が夫々住家を設けその敷地等に使用しているのであるから、被上告人が本件宅地を買収しても右D外三名に売渡す外なく、結局買収の目的は特定個人四名の耕作者の利益を図ることに存するから、公共性がなく憲法二九条三項…
ただ、本件特例の根拠条文である措置法六九条の四第一項によれば、文言上は何らの限定も付されていないから、この法律は具体的な相続を巡る個別的事情は一切問わず、相続開始前三年以内に被相続人が取得した土地等については一律にこれを適用すべきものとさ…
一 先ず、本条例制定の趣旨および本件において問題となつている本条例の条項の法意を考えてみるに、記録によると、奈良県においては、一三、〇〇〇に余まるかんがいの用に供する貯水池が存在しているが、県下ならびに他府県下における貯水池の破損、決かい等…
所論は、要するに、森林法一八六条を合憲とした原判決には憲法二九条の解釈適用を誤つた違法がある、というのである。 一 憲法二九条は、一項において「財産権は、これを侵してはならない。」と規定し、二項において「財産権の内容は、公共の福祉に適合する…